Home SPECIAL 個性ドリブン#2_2[TERAS company]- SHIMOTSUKARE YANKEE コラボ企画 –

個性ドリブン#2_2[TERAS company]- SHIMOTSUKARE YANKEE コラボ企画 –

by クロ

しもつかれにインスパイアされたアパレルブランド「SHIMOTSUKARE YANKEE(シモツカレヤンキー)」。
前回に引き続き、同ブランド初のコラボレーション商品、黒地に鬼おろし柄の刺しゅうを施した「Onioroshi Mask」を手掛けたA型事業所「TERAS company(テラスカンパニー)」商品企画・営業担当の山中知博さんにお話を伺います。

第1回目の記事はこちら >

小さな変化の蓄積で社会を変革

 

青 障がい者の方たちを取り巻く環境、僕を含めて接する機会のない人たちの感覚も変わってきていると思うんですけど、現場で働いていて変化を感じますか。

山 全国的には分からないですけど、みんなの行動範囲が広がっていっているとは感じていますね。トモス通貨を使うことによって行動するきっかけができた。みんな外に出かける機会が増えたし、公共交通機関も使いやすくなりました。
あとは周年イベントなどを通して一般の方との横のつながりが広がっているなと。皆が自然と手を差し伸べてくれる。そういうところから変化は出てきていると感じます。
どう接していいのか分からない方でも僕らが間に入ると「あ、こんなにフランクで良いんだ」となり、逆にこんなことやりたい、一緒にできないかなという提案をもらうこともありますね。
乙武(洋匡)さんも言っていましたが、日本はインフラ面がすごく整っていてバリアフリー化は世界トップクラス。だけど、障がい者が外に出ている割合は少ない。インフラ面よりも意識の問題ですよね。ヨーロッパは古い石畳の道が残っていても車椅子の人がどんどん外出している。それは周りの人が自然と手を差し伸べる環境ができているから。
そう考えると僕たちがやっていることをより多くの方に知ってもらうことで、少しずつ社会全体が変化していくかなって。大きな変化は難しいですけど環境を少しづつ変えていく。

青 こういったちゃんとデザインされた商品が出てくるとおしゃれなイメージにもなる。デザインとかイメージって大事ですよね。僕らSBM、しもつかれも同じです。ちゃんとしたデザインにすることによってイメージが上書きされていく。

山 働いている方も、自分たちの作っているものがカッコイイ製品になって美術館のショップで売られているとか、百貨店で売られているとかがすごく嬉しそうなんですよね。一から作って、それが売れてまたオーダーが入る。モノ作りはいいなって思います。

青 イメージが変化している感じしますよね。

山 そうですね。あとは、東京の方が進んでますね。筋ジストロフィーの人が「EYE VDJ」っていうのを使って目の動きでDJできるシステムを使ってイベントでDJしていたり。テクノロジーをうまく駆使してますね。

青 確かにテクノロジーが結構入ってきてますもんね。車椅子一つにしてもそうだし、目の動きもそうだし。

山 昨年、国会議員に2人当選したじゃないですか。そういうのも結構インパクトになってますよね。
実はみんな、自己主張が激しかったりします。普通の企業だったら言わないだろうなっていう事を直接言ってくる(笑)。逆に人間らしいのかなって。

青 へええ、面白い。

山 日本人はディスカッションが苦手じゃないですか。だから避けちゃうところあるけど、フィルターかかってないからストレートですよね。

青 (笑)。

今、この場所だからできるコト

 

青 ウェブを見たら「メイド イン トチギ」「栃木を大事に」と記載がありました。栃木の個性を考えた時にどういうコトが挙げられると思いますか。

山 一つは「ローカル感」があるかなって思っていて、コロナになって「地方」に視点が集まって来ているじゃないですか。同じことを東京でやろうとすると規模感、資金面が大変だし、埋もれちゃうこともあるかもしれないけど、栃木でやっていることが面白さに繋がると思いますね。

青 栃木の規模感、サイズ感というかね。

山 片田舎でこういうクリエイティブなことをやっているのは面白さなのかなって。

青 ローカルっぽさ大切ですよね、確かに。
福祉施設として新しいやり方をスタートした時、最初から受け入れてもらえましたか。

山 そんなに阻まれた感じは無かったです。福祉関係のつながりがそんなに無いからかもしれないですね。

青 あー、なるほど。

山 逆にあんまり意識してないんで。大きい母体の所と規模感で勝負したり、同じことやっても意味がない。それよりも自分たちができる事の中で、より面白くやろうと考えています。だから県内の同業者より、県外で同じような視点の人たちと多くつながっています。
青 なるほど、なるほど。

山 異なるマーケットへも拡張したいと思っていて、背景、ストーリーに共感してくれるお店に広げていきたいです。
 「福祉マーケット」は、ほぼ意識していないです。一般のマーケットでどれだけ行けるか、勝負できるかを意識していますね。

青 その方が広がりもあるし、印象も変わりますよね。

山 広がり方もやっぱり違いますもんね。
 なんか福祉系のイベントとかってドンヨリしてるんですよね。シーンとしてて、「本当にみんなのディレクションになってるのかな」と。

青 やっている人たちはマヒして気づかないんですよね。
あと、話は変わるんですが、「SHIMOTSUKARE YANKEE」をどう思いますか。ディスってもいいので何か感想をいただけると嬉しいです(笑)。

山 エッジが効いて面白いというのが第一印象ですね。しもつかれは、子どもの頃からあったけど、そういうイメージは全く無かった。アパレルも料理のアレンジも。その広がり方、ムーブメントの起こし方がすごいなって思います。

青 ムーブメントになっているかは分からないけど(笑)。

山 見ている感じだとスピード感、巻き込んでる感じとかすごいなって。Tシャツを作るとかは想像つくけど、モデル起用して、動画、音まで作っちゃうってなかなか面白いなって思っちゃいますね。

青 全部、僕のやりたいコトなんですけどね(笑)。

山 そういう面白さが何事も必要ですよね。それが入り口になるってたくさんあるから。

青 そうなんですよね。しもつかれを料理として嫌いな人にいくら「良い」て薦めても伝わりにくい。だったらアート、音楽、ファッションとか違う文脈からアプローチをして興味を持ってもらったらと。特に若い世代ですね。若くなればなるほど良いイメージが無い。Twitterでも結構戦ってたんですけど(笑)。

山 へええー!

青 ネガティブなコト言われても、ポジティブに返しまくる(笑)。

山 笑。

青 すごく地道なんですけど、ネガティブな情報が徐々に少なくなるし、ディスることが当たり前だったのが、「何かパトロールするヤツ出てきた」みたいな事になって抑止力になってる(笑)。
ネガティブな情報が減るって結構重要で、一生懸命にやっている人も居るわけだから。言わなくて良い情報を僕らがポジティブな情報で上書きしていく。「千年ノ美」という、しもつかれを美と健康で切り取ったウェブサイトを立ち上げたんだけど、しもつかれを検索したときに最初に目にする情報がカッコよくてポジティブだったら、知らない人は「あ、そういうものなんだ」ってなるじゃないですか。そういう情報自体を僕らで発信することが必要だなと。
以前、県外の方に「青栁さんがSNSにアップしていた『しもつかれ』っていうおしゃれな食べ物はなんですか」って聞かれて。そういうイメージになっているの面白くないですか。

山 へえー!面白いですね。

青 すごくうれしくて。最初に触れる情報ってすごく大事。そこのデザインを今やっているところなんですよね。

山 入り口の見え方で変わりますもんね。

青 山中さん個人のしもつかれエピソードってなんかありますか。

山 おばあちゃんが作ったイメージですね。小さい時は酒粕が苦手であまり食べなかったけど、作るのは見ていました。

青 僕もそうだな。今は食べられるんですか。

山 食べられますね。

青 いつ頃から食べられるようになったんですか。

山 20代ですね。お酒を飲めるようになってからですね。でも、出てきたら食べる感じです。あ、でもビスコッティは見かけると買っちゃいますね。

青 おー、嬉しい。

山 あれ、すごいですよ。嫌な感じが全然無くて。

青 ありがとうございます。

「自分らしさ」を世界へ

 

青 今回コラボレーションをしていただいた理由を教えてください。

山 しもつかれブランド会議・しもつかれヤンキーのブランディングの面白さと、青栁さんと一緒に仕事をしてみたかったからです。

青 そんな風に言っていただけると嬉しいです。僕もトモスさんの活動は素晴らしいと思っていたし、一緒に何かできたらとずっと考えていました。今回のこだわりのポイントはありますか。

山 既存の商品デザインに合うように、しもつかれのイメージをどう刺し子で表現するかですね。

青 僕の方から、刺し子で鬼おろしを表現してほしいという発注をさせていただいたので難しかったですよね(笑)。作業の中で利用者さんはどの辺を担当されましたか。

山 デザインと刺し子を担当しています。利用者さんの中にデザイナーが居て、鬼おろしをモチーフにして僕とディスカッションしながらデザインを構築していきました。彼がいなかったらこのデザインは生まれなかったです。

青 デザイナーさんが。利用者さんの特性を生かせるような分業システムになってるんですね。苦手を克服するのも大切ですが、それ以上に得意な部分を伸ばせるような仕組みにしているのが素晴らしい。障がいの有無に関わらず、みんなが力を発揮できるチーム設計にしていて、そこから生まれる作品をみんなで楽しんでいるんですね。
 最後に、今後の活動で何か告知的とかありましたら。

山 マーケットの拡大と、事業運営として高単価のものを動かしていきたいです。今、東京のディレクション企業とプロジェクトを立ち上げて、商品開発から一緒にやっています。ホテルのディスプレイに使ってもらえるようなアトリエラインのタペストリー、クッションカバーを作っています。

青 リリースはいつですか。

山 少しずつ作品ができ始まっている所ですね。出来上がり次第、デザインをお願いしている方を経由して、販路開拓やプレスリリースをしてもらう予定です。
今後は海外にジャパンメイドのモノを広げていきたいっていうのは一つの目標としてありますね。
良いモノを作り、褒めてくれる人の所に届けたい。

青 山中さんにとって「個性」とは。

山 「自分らしさ」ですかね。

青 ありがとうございました。今後もコラボしていきましょう! 

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