Home STORY [SHIMOTSUKARE LIFE]#1 熊倉さなえ

[SHIMOTSUKARE LIFE]#1 熊倉さなえ

 江戸時代、例幣使が通った例幣使街道の宿場町、さらに巴波川の舟運で交易地として栄えた栃木県栃木市。古の商都の息吹を残す街に、また賑わいが生まれている。

賑わいの中核は風情ある蔵の街大通りの近く、オレンジの暖簾が目印の惣菜店兼八百屋「かねふくストア」だ。地域に愛され65年。特にここ数年、同店の「しもつかれ」を求めて県内外から多くの人が訪れている。

「いらっしゃいませ。また来てくれてありがとう」

明るい人柄が滲み出る声と笑顔の持ち主は熊倉さなえさん。現店主の秀行さんと結婚し25年以上、秀行さんの母チヨさんと「この味でなければ」と評判のしもつかれをほぼ毎日作り、義姉の五味渕文子さんとお客様を迎えている。

小山市出身で医療事務に従事していた。結婚を機に、地元産青果物や日用品、佃煮店に勤めていた父友吉さんのアドバイスを生かした約20種の手作り総菜を販売する商いの世界に飛び込んだ。

本来は初午の時期に作られる郷土料理を通年、早朝から仕込み、5年前からは〝小江戸・栃木市〟をピーアールする「とちぎ江戸料理」プロジェクトにも参加。しもつかれが暮らしの一部となっているさなえさんに「しもつかれエピソード」を聴いた。

しもつかれ  =「ご縁」

 

—しもつかれとの出合いは

初午の時期に母が作っていましたね。

—子供の頃から食べられましたか

大丈夫でした。小さい時から家にある親しんだ味だし、今も実家に帰った時はお裾分けをもらってきます。全然味が違うんですよ。

—結婚し、「かねふくの味」を引き継いだのですね

引き継ぎながら、現代風にアレンジもしています。今の方は健康面に意識が高い方が多いので塩分控えめにしたり、お子さんも食べやすいように酒粕の量を調節したりしています。

—広報誌やラジオなどに登場、「しもつかれブランド会議(SBM)」メンバーとしても「しもつかれ」を積極的にPRされています。その思いはいつから発酵されたのですか

市の事業「とちぎ江戸料理」のアドバイザーで料理研究家の冬木れい先生との出会いからですね。講習会に手伝いに行ったり、テレビで紹介したいから「しもつかれを送って」と声を掛けてもらったり。前々から興味のあったSBMとの接点も先生から「面白い団体だから一緒に行きましょう」と誘われたのが最初です。去年7月に会議に初参加して以来、代表の青栁(徹)さんはじめ、いろんな人と出会うことでご縁がどんどん広がってアピールの機会がぐんと増えました。

—しもつかれのどんなところが好きですか

素材の味が出る料理なので夏と冬とでは味に違いが出るし、嫌いな人、好きな人が極端なのも面白いです。

—かねふくさんのしもつかれで克服する人も多いですよね

そうなんです。「嫌いだったのにかねふくのなら食べられる」とみんな言ってくれるので本当にありがたいです。励みなります。

—さなえさん自身はどんな時に食べていますか

毎日作っているので毎日。味の変化がないように味見が必須なので。

—かねふくさんのしもつかれの特長は

魚の生臭さが出ないように気を付けているのと、先程も言ったように酒粕を入れ過ぎていないので食べやすいと思います。鮭の頭はきれいに洗って、塩で処理。その処理は主人が頑張っています。私も鬼おろしを毎日。腕も痛くなって手も荒れちゃうけど仕方ないですよね()

—手間暇掛かっているんですね。一日2、3回大鍋で作っても間に合わないこともあるとか。提供し続ける思いは

郷土料理を皆さんに知ってもらいたいですし、他の総菜とは違って家庭ではなかなか作れない。作る人がいても初午の時だけですが「うちに来ればいつでも郷土料理が味わえるよ」とアピールしたいなと。

—お勧めの食べ方は

納豆に入れちゃう。納豆の臭みとかネバネバも抑えられていくらでも食べられます。そうめんの時につゆの代わりしても合います。「しもつかれインフルエンサー」としてかねふくを㏚してくれている〝アキラパイセン〟の「しもつかれラーメン」とかね。

20代の息子さんも幼い時から食べているんですか

小さい時はあまり食べなかったけれど、今は無性に食べたくなる時があるみたい(笑)。大人になると味覚が変わるのかな。

—若い方が増えたと言っていましたね

以前はご近所の年配の方が多かったんですけど最近は20代の若い方がすごく多い。青栁さんに背中を押されて始めたインスタグラムやツィッターの効果ですかね。SBMやファンクラブ「朱憑」のメンバーも発信してくれているからか、今日は埼玉からも。宇都宮、茨城とか県内外問わず。

—しもつかれを売っていて良かったと思う時は

 お客様と、またはお客様同士の交流が広がったときですね。人との出会いに感謝と楽しみ、「絆」を感じさせてもらっています。

他の総菜も20種以上作っていますけど、他の煮物ではこういう風にはいかない。それはSBMの活動があってこそ。コロナ渦でも「SNSを見ました」という方が増えて本当に助けられています。

—お客様からのうれしかった言葉は

「おいしかった」「また来たよ」が一番。コミュニケーションが大切と思っていて、普通のスーパーだとお会計して終わりですけど、そこで何か一言、二言、会話しようと心掛けてます。しもつかれだけ買ってくれたお客様でも「しもつかれを使ったビスコッティ、焼き菓子もありますよ」って。話が弾みますね。

—しもつかれを薦めるときの一言は

「多彩な栄養を含んでます」

今注目の発酵食品の一種でもあるし、固くないから子供も年配の方も食べやすい。アレンジ料理の幅も広いですよって。

—しもつかれに関して、何か挑戦したいことは

ルーツを深掘りしたいですね。他の飲食店さんとのコラボや宣伝活動もさらに積極的にしていきたいです。

—最後に、さなえさんにとって「しもつかれ」とは

「唯一無二」

誰が作っても全く同じ味にならない郷土料理ですね。

最近はビスコッティやガトーを求めて遠方からのお客さまとの「輪」もつなげてくれています。本当に感謝しています。

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かお姉 2020年7月8日 - 9:28 AM

しもつかれワールドが拡がる✨✨✨

しもつかれから人と人を繋ぐ
心と心を結ぶそんな聖地
かねふくさん‼️
応援してます🍀

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